>第回マスターズ水泳クリニック報告書 報告者 角皆優人 クリニック主催団体エフ-スタイルクラブ代表 |
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第1回マスターズ水泳クリニックを、盛況のうち無事終えることができました。 参加者数28名、見学者2名、講師陣4名、スポーツドクター1名、アシスタント1名という人員構成となりました。 全体は2部に分かれ、午前中は講義、午後は実技をおこないました。 講義後、参加者による1時間程度の水中撮影をおこない、その後講師たちの撮影をおこないました。撮影した映像は後日DVDに焼き、参加者全員にお送りします。 <下:講義の風景> 講義は角皆による「健康と自己記録更新」というテーマからスタート。 続いて実際の泳法について、個人メドレー順で、バタフライを柳澤晋平コーチ(山梨県風林火山)、バックを地元から簾田千恵子コーチが担当し、平泳ぎは日本を代表する選手の一人であった丸山亮子コーチ、そしてクロールをふたたび角皆が担当させて頂きました。 各コーチの知識や経験から、たいへん興味深い泳ぎの改善方法やトレーニング方法が展開されました。 各コーチ共に、熱意のあまり午前中だけで30分も押すという教室になりました。 みなさんの真剣な表情と熱意のある質問が、講師陣の時間を引き伸ばしたのではないでしょうか。 <下:丸山亮子コーチ> 参加者には長野県トップの中学・高校生から、リタイア後に水泳をはじめたというみなさままで、ふつうではありえない年齢幅、それに加えて水泳以外のところでは、なかなか一緒にならないみなさまが揃ってくださいました。 全員の意欲が高く、講師陣もやり甲斐のある時間をすごせました。 講師陣にも特色があり、つい最近までオリンピックをねらっていた若い世代から、30代後半から水泳をはじめ60才代でトップスイマーという方、加えてわたしのように本職はスキーという変わり種まで、さまざまな経歴の講師陣が揃い、興味深かったです。 日々の練習量が少ないにもかかわらず、好タイムを出し続けるバタフライの柳澤コーチの元に、若く毎日1万メートル以上を泳いでいる選手たちが、集まりました。少ない練習量で伸びる秘密を知りたくてうずうずしていたのです。 4泳法の講義の後、水泳に多い障害防止というテーマで、スポーツドクターの望月一成先生に講義していただきました。たまたまスポーツ学会でチーム北島のみなさんと一緒だったということもあり、水泳の最新事情と、水泳に多い肩と腰、膝の障害防止について、詳しく説明して頂きました。 先生が語った効果的ストレッチについて、大きな反響があり、この部分だけもう一度しっかりとおこなって欲しいという要望も多かったです。 <下:望月スポーツドクター> 実技はまず、スタイル1からスタートしました。 予想通り、クロールの方がたくさんいらっしゃいました。 スタイルワンで40分ほど練習会をした後、種目を変えて、異なったコーチの元で、それぞれの泳ぎを学びました。この時は人数も平均に分かれ、講師陣も指導しやすかったと考えます。 時々、生徒から明るい歓声の上がるのが印象的でした。 歓声があがったのは、丸山コーチの一掻き一蹴り(平泳ぎ)やキック、柳澤コーチのボディドルフィンやバサロでした。 <下:平泳ぎチーム> 中学生から大ベテランスイマーまでが、熱心に講師たちの言葉を聴き、講師たちの泳ぎを観て、熱心に学んでくださいました。年齢差だけでなく、体型差、きっと水泳以外の趣味の違いなども大きいのでしょうが、プールのなかでは、みなさん泳ぐということに集中し、一生懸命でした。 こうした人たちのなかで泳ぐことは、長野県トップの若者スイマーたちにとって、さぞ刺激的体験だったでしょう。わたし(角皆)にとっても、ほんとうに刺激的なミート(練習会)となりました。 各チームとも、もっと時間が欲しくてたまらないようでした。 <下:バタフライチーム>
一通りのコーチングが終わると、いよいよ水中撮影です。 今回は水中撮影に多くの実績を誇る「株式会社フラム」さんにお願いしました。 泳ぎ終えてから、自分の泳ぎを見ることができるため、みなさん興味津々でした。やはりふだん、自分の泳ぎを見ることは難しいので、より多くの映像が欲しいとのこと。 当初の予定を大幅に上回り、撮影会を続けました。 実際、クリニックを終え、講師陣で反省会をおこなった際には、みなさん「もっと時間が欲しかった!」とコメントされました。バタフライを担当していただいた柳澤コーチなど、「あ、あれも教え忘れた。これも忘れた」としきりに悔しがっていらっしゃいました。ですから次回の柳澤コーチは、期待大でしょう。 <下:最後にみなさんで> わたしが考えるに、時間が足りないという問題は、今回のテーマがとても大きかったことに起因しているのではないでしょうか。なんといっても、すべての人間の課題である健康と、すべてのスイマーの課題である自己ベスト更新がテーマだったのですから。 たとえばテーマをくぎり、「浮き・蹴伸び教室」などという具体的な課題を取り上げたら、きっと効果の高いレッスンが可能になるでしょう。じっさい「浮き・蹴伸び」の指導を要望される方も多くいらっしゃいました。 これから、そんな問題点を検討し、次回の講習につなげていきたいと考えています。 まずは第1回ということで、大上段のテーマを掲げたことを、誇りに思いたいと考えます。そして、常にこの原点に戻って来ようとも考えています。 次回のクリニックは、多くのみなさんが希望された「浮き・蹴伸び教室」を実現したいです。 苦しいトレーニングをしなくても、純粋に体の使い方を知るだけで、誰でも必ずできることだからです。時間をかけたり、身体意識を向上させたりするための訓練は必要ですが、誰でも必ずでき、しかも自己ベストを望むなら、必ずできなければならないテクニックだからです。 浮きができるようになれば、ぜったいにタイムは伸びます。 以上、第1回マスターズ水泳クリニックの簡単な報告でした。 |